アイコン、オントロジー、コンテクスト
2023年11月7日の日記
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気温が下がり始めると精神の状態が最悪になることが知られているものの、だからといって何か対策ができるというわけでもないんだよな。ということで、弊サイト初の日記回をやっていこうと思う。
様々な材質や色の鳥居があることについて人と話しているときに「神道はかなり高いレベルで神を単なる記号と割り切っていてすごいな」と感じた。特定の人物や概念のみを信仰する宗教の神と違って神道における神というのは受肉した概念の一形態であって、ゆえに信仰の形も道理さえ通っていればそれでよしとされていたんだろう。
哲学の一分野に「オントロジー」というものがあるんだけど、これは神道に通じる部分があると思う。オントロジーは「存在の哲学」として椅子や林檎、コンピューターのような概念がどのように存在しているのかを問うもので、この中には「「あらゆる『もの』は実際には『もの』ではなく、原子や素粒子などの『基本的なもの』が特定の姿形に並んでいるものを人々が『もの』と信じているだけ」と考える派閥もある。この「『もの』の存在は人々の信仰に依存している」という理論は人々に通底する低次の世界観が「もの」と神両方の姿を取りうることも示しているわけです。
こういうことを考えていると原神のストーリーに出てくる「我らは道の草花に、輝く太陽の光に、捉えられぬ風の中にいる。あなたが思考を止めない限り、私たちはどこにでも存在する」という一節は本質を突いた言葉だとしみじみ思うな。というか自我だって信仰みたいなものなんですよね。なぜなら意識というのは各種物質の血中濃度の上下や電気信号などからなる物理現象に過ぎず、草木が風に揺れたり水面に波が立ったりするのと大して変わらないので……
前にもどこかで書いた気がするけど、SNSの台頭によって現代社会のカルチャーはかなりハイコンテクストになってしまったと思う。誰もがスターになれる世の中では、同じ投稿をしてもその人の背景情報によってそれぞれの投稿が全く違う意味を持つようになる。良いか悪いかは置いてもすごい世の中になったなあ、と思っている。まあこんなのは日常の機微に深い意味がある人々への嫉妬に過ぎないので、あんまりのめり込まないほうがいい。
こんなもんか。美少女イラストをもっと真面目にやっていく必要があるんだけど、時間と気力がなくて無の日々を過ごし続けています。こんな調子で来る死の季節を乗り切れるのかわからないけど、どちらにせよ乗り切るポーズを取っておく必要はあるというのが人生です。みんなも部屋を暖かくして、怖いことから離れて春まで無事でいてくださいね。